黒猫

お店の前を一日に何度か黒猫が通り過ぎる。店長やエミちゃんは縁起が悪いと言って嫌がるのだけれど、私はこの猫が嫌いではない。むしろ堂々としていて、好感すら感じている。

一度、エサ代わりにビスケットの破片を差し出したら、ぷいと横を向いて行ってしまった。その誇り高さになんだかますますこの黒猫が気に入ってしまった。

今日はお客さんが少なくて、商品のホコリを払いながら、エミちゃんの人生相談にのっていた。私なんかに相談しても役には立たないと思うのだけど、彼女は誰かに相談すると安心するらしい。

大学に通うカレシととても親しい、綺麗な女の子がいて、エミちゃんはヤキモチをやいてはカレシに嫌がられているそうだ。「嫌がられているなら、ヤキモチやかなければいいじゃん。だって、エミちゃんのカレシなんでしょ?」と私が言うと、「それでも、自分以外の女の子とカレシが親しくするだけでイヤなんです。携帯とかこっそり見ちゃったり」。

それはまずいなあ、と私は心の中で思う。でも、私にはヤキモチ焼きの人の気持ちがよくわからないから、余計なことは言わないほうがいいかもと思い、「そういうこともあるかもね。でも、携帯を見るのは見つかったときに信用をなくすからやめた方がいいよ」とだけ言っておいた。

黒猫は今日も威風堂々と店の前を尻尾を立てて通り過ぎていった。私はカレシや夫にすがる女じゃなくて、ああいう猫みたいなひとりでも生きて行ける存在になりたい。

ちなみにエミちゃんが着ていたJ.PRESSの
コードチェックのノースリーブブラウスも可愛かった。
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引用元:http://crosset.onward.co.jp/
Jプレスというと高校時代に綿のシャツを着てた記憶があるんだけど、こんな可愛い服も作ってるんだね。うーん。ちゃんと見てみないと、わからないものだ。