一人の何が怖いんだろう

同じお店で働くエミちゃんはまだハタチそこそこで、若い。そして、典型的な女の子、という感じがする。悪い子ではないのだけれど、自分の価値観が絶対だと思っているようなところが少しだけあって、私のような単独行動をする女なんていうのも彼女に言わせれば「可哀想な人」になってしまうらしい。

昔からこういう女の子はたくさん見てきたから今更いちいち言い返したりはしないけれど、一人は寂しいって誰が決めたんだろう。一人は結構にぎやかだ。

一人暮らしのエミちゃんの手帳には毎晩一緒に夕食を食べる約束をしている女友達の名前がびっしり書いてあって、私はそういうものを見てしまうと大変そうだな~と思ってしまう。だいいち、そんなにたくさんの友達の名前、私には覚えられないよ。

どうして寂しいんだろう?

何がそんなに不安なんだろう?

私は結婚しているけれど、夫が仕事で遅い晩、ひとりで夕食を食べていても、寂しいとは思わない。何の音楽をかけよう、食べ終わったら何の本を読もうって思うとわくわくする。

エミちゃんを見ているうちにわかってきた「自分の悪口を自分のいないところで言われることに対する恐怖」も私には特にない。エミちゃんは、それが怖いらしい。一体どんな友達とつきあっているんだろう。自分のいないところで悪口を言うのなら、それは友達ではないんじゃない?

明るくて元気で友達が多い子が良い子。それは小学校の刷り込み。でも、大人になったら、もうそういうものとは離れてもいいんじゃないかなあ。